プロフィール

分子栄養学アドバイザー ちはる

娘 高校1年生

たかが食事、されど食事

「なんで昔と比べるの?今の私を見てよ。」
娘にそう言われた瞬間、胸がギュッと締めつけられました。

小学校6年生の修学旅行前、班決めなどの人間関係のストレスで、娘は毎日のように「考えすぎて鬱になっちゃうよ」とつぶやいていました。ほぼ毎日習い事やサッカーで予定はぎっしり。試合の日はおにぎり1個で動き、終わったら一気に食べる。そんな生活が続き、やがて頭痛・腹痛・嘔吐が始まりました。

病院では薬をもらうだけ。食べられず痩せていく娘を見て、「何が起きているの?」と不安と焦りでいっぱいでした。やがて、胸や背中の痛み、感覚過敏、車酔い、眠れない夜、メンタルの揺れ…。希死念慮を口にする娘を前に、私はどうしたらいいのかわからず、毎日泣きそうでした。

生活を正そうとスマホを取り上げても、激しい口論になるばかり。私は「優等生でいなければ」「遅れを取らせてはいけない」という思いに縛られ、娘の今を見ずに、過去の元気な姿ばかり追いかけてたんです。

そんな中、思い切って食事を根本から見直しました。すると、少しずつ娘の表情が変わっていきました。頭痛や感覚過敏が消え、3か月後には学校に通えるようになったのです。家族で話し合う時間も増え、娘の気持ちを聞き、家族全員で支えるようになりました。

今では、娘は部活も勉強もバイトも楽しめるようになりました。
あの頃の私に伝えたい——「たかが食事、されど食事」。食べ物が子どもの体と心を変えること、本当にあります。

思春期は、身体も心も大きく変化し、栄養の必要量が急激に高まる時期です。食べているつもりでも、栄養になっていない食品もたくさんあります。だからこそ、「何を食べたらいいか」「何を避けたらいいか」を知ることは、子どもの未来を守る第一歩です。

私はこの経験から、親の役目は「自分の思いを押し付けること」ではなく、「子どもの気持ちを尊重して支えること」だと心から学びました。
当たり前だと思っていた日常は、当たり前ではない。健康な体があってこそ、子どもは自由に未来を描けるのです。

そして今、同じように悩む親御さんへ伝えたいことがあります。
子どもは、親の思いよりも “温かいまなざしと、体を満たす栄養” を必要としています。
十分な栄養は、心を安定させ、考える力や挑戦する力の土台になります。
大丈夫。小さな一歩からでも、未来は必ず変わります。